忙しい毎日、お料理をつくるのは大変ですよね。
そんな時今話題の常備菜や作り置きを活用して、手間を省くと、せかせか、イライラしなくて済みそうです。
でも、
- 作りおきってどれくらい日持ちするの?
- 食べるときに腐っていたら怖い。。
- コツとかルールとかあるの?
そう思って、なかなか手を出せない人も多いのでは。
今回は作り置き料理を日持ちさせる方法をご紹介します。
料理の作り置きは一週間で腐る?
ただ、作りおきに向かない食材や調理法があったり、気温の高い夏場の腐敗対策など、覚えておきたい基本ルールを守らないと一週間どころか、次の日にも腐ってしまいます。
そこで、正しい知識を持って作りおき生活を楽しむためにも、調理のポイントや保存のルールを、一度予習しておきませんか?
料理を腐らせないで日持ちさせる方法とは?
保存することを目的とする「作りおきおかず」は、できたてを食べる料理よりも少し注意しなくてはいけない点があります。
味は“いつもより濃いめ”
塩分や砂糖を多めにする事で食品の水分がぬけ、保存がききます。
梅干し・お酢を活用する
クエン酸の殺菌効果で傷みにくくなります。
クエン酸とはレモン、みかん、グレープフルーツなどの柑橘類や梅干しなどに含まれる酸味=すっぱい成分です。
そう言えば、疲れた時はすっぱいものを食べると良いとも言われますね?
この酸味成分が体内で糖を代謝し、エネルギーに変えてくれます。
また、体内に入ったマグネシウムやカルシウムなどのミネラル分を吸収しやすくして、身体の疲労物質を分解し、体内の蓄積を防いでくれます。
ポン酢などを使えばもっと気軽に日持ちのするお料理ができそうです。
例えば、おにぎりの食中毒菌となることが多い“黄色ブドウ球菌”や、野菜や肉類の食中毒菌となることが多い”O-157“は梅干しがあることで菌の増殖が抑えられます。
また紫蘇や穂紫蘇(紫蘇の実がついた花穂)にも殺菌効果がありますので、お刺身のツマとしてよく添えられているんですよ。
しょうが・わさび・カレー粉、玉ねぎ等を活用する
殺菌効果で傷みにくくなります。
色々な料理の隠し味によく使われる、
- ネギ
- ニンニク
- たまねぎ
- にら
- ショウガ
- からし
- ワサビ
- カレー粉(ターメリック、クミン、コリアンダーなどカレーのスパイスも含みます)
など香りある食材も抗菌作用があります。
ネギやニンニク、たまねぎ、にらに含まれているアリシンや、ショウガの辛味成分のジンゲロール、ショウガオール、からしやわさびをすりおろした際に発生するアリルからし油には強力な殺菌作用があります。
最近はお弁当のバランにわさび成分が塗布されている“わさびシート”が市販されているのでご存知のかたもいらっしゃるかもわかりませんね。
今回ご紹介したこのような食材は1個使うだけでもOKですが、塩と食酢など、2個以上使うことで殺菌効果がUPします。
火をしっかり通す
生焼けは腐敗が進む原因になります。
フライパンやレンジなどでしっかりと中心まで火をとおすことで、食材の細菌やウイルスを死滅させることができます。
また、食べる前にもしっかりと火を通す「火入れ」をすることで再度、殺菌ができ安心して食べることができます。
水分の少ない調理法にする
水分が腐敗の原因になります。
とにかく食中毒の一番の大敵は水分。
作り置きおかずのメニューでは、時間が経つと水分が出やすい和え物などは避けるのがベストです。
また煮物も、含め煮のような水分が残るものよりもきんぴらや佃煮のように水分を完全に飛ばすものがおすすめです。
さらに、作ってしまいがちなのが半熟の味付けたまご。
できたてをすぐに味わう料理なら気にする必要はありませんが、作ってからしばらく時間が経って食べる作り置きの場合はたまごはしっかり中心まで茹で、かた茹でにしましょう。
半熟で時間をおくと、食中毒の危険性が高まります。
いつもの料理よりもしっかり火を通すように心がけてください。
古くから常備菜としてよく作られている、きんぴら、佃煮など水分が少なく味の濃い料理や、ピクルスやマリネのようにお酢やスパイスを使った調理法が長期保存を目的とする「作りおきおかず」に向いているといえます。
やはり昔の人の「知恵」ですね。
逆に、含め煮や白和えなど水分の多い料理は長期保存には向きません。
日持ちする常備菜はどのようなもの?
実際にどんな料理が日持ちするのでしょう。
上のポイントを踏まえた料理を紹介します。
しっかり味をつけた常備菜
きんぴらごぼう
- ごぼう・・・200g
- 人参・・・100g
- ごま油・・・大さじ1
- みりん・・・大さじ1
- 酒・・・大さじ1
- 醤油・・・大さじ1
- 砂糖・・・大さじ1
- いりごま・唐辛子・・・少々
ごま油で唐辛子に火を通し、ごぼうと人参を炒めます。
少したったら調味料をいれ汁気がなくなるまで炒めるだけです。
一緒に牛肉や豚・鶏肉、ちくわや糸コンなどを入れてもおいしいですよ。
同じような調味料で、
- こんにゃくのきんぴら
- れんこんのきんぴら
- 人参のきんぴら
大根やピーマン、うどなんかでもおいしく出来上がります。
牛肉の佃煮
- 牛肉 … 300g
- 生姜 … 30g(小3かけ分ほど)
- 醬油 … 大さじ4と1/2
- みりん … 大さじ3
- 酒 … 大さじ3
- 砂糖 … 大さじ2と1/2
牛肉を広げ、熱湯を注ぎ軽くほぐす。
調味料を煮詰め、その中に牛肉を放り込む。
2分ほど加熱し、水分がなくなったら完成。
お肉をかたくさせないコツは、牛肉を熱湯で洗うことです。
牛肉は煮込むほど固くなるので調味料も少し煮つめ、できるだけ煮込み時間をすくなくすることです。
舞茸やエノキ・しめじなどのきのこ類や糸コンなど、具を足してもおいしいです。
- アサリの佃煮
- 牛ごぼうの佃煮
なども同じような作り方でおいしくしあがります。
お酢を使った常備菜
基本のマリネ液は、酸味、塩味、油分の組み合わせになります。
そこに少し砂糖やハチミツなどの糖分が加わると、酸味がやわらいで食べやすくなります。
オリーブオイルを使うと良い点は、素材の持ち味を引き立てながら、香りとコクが加わること。
マリネは、時間をおいておいしくなるお料理なので、時間の経過とともに、オリーブオイルの香りや風味が、よいはたらきをしてくれます。
酸味は、お酢、ワインビネガー、レモン汁、バルサミコ酢などで。
中でもお酢は、常備されているご家庭が多いと思いますので、お酢を使った作りやすい基本レシピをご紹介したいと思います。
基本のマリネ液
<材料:およそ200g程度の野菜に対して>
- 酢・・・大さじ2
- 塩・・・小さじ1/2
- 砂糖・・・小さじ2
- オリーブオイル・・・大さじ2
酢に塩、砂糖を混ぜてよく溶かしたら、オリーブオイルを加えて混ぜます。
また、めんつゆを使った手軽な和風のマリネ液もおすすめです。
しょうゆベースのめんつゆには、かつお節などのうま味が含まれているので、とても味のまとまりが良いですし、ご飯にも合わせやすいんです。
その場合のレシピはこちら。
めんつゆで作る和風のマリネ液
<材料:およそ200g程度の野菜に対して>
- めんつゆ(2倍濃縮)・・・大さじ2
- 酢・・・ 大さじ1
- オリーブオイル・・・ 大さじ2
基本のマリネ液、和風のマリネ液どちらにしても、変化を加えたいときは、しょうがやスパイス、ブラックペッパーハーブなどを加えれば、アレンジの幅も色々と広がります。
お酢をレモン汁にすると、よりさわやかな仕上がりになります。
基本の酢の物:甘酢
甘酢づけや酢飯にも。
<材料:およそ100gくらいの野菜に対して>
- 砂糖・・・大さじ2
- 塩・・・少々
- 酢・・・大さじ3
基本の酢の物:三杯酢
基本の酢の物に使用します。
- 砂糖・・・大さじ2
- 醤油・・・大さじ1
- 酢・・・大さじ3
基本の酢の物:土佐酢
かつおの風味が効いた酢の物に。
- 砂糖・・・大さじ2
- 醤油・・・大さじ1
- 酢・・・大さじ3
- カツオ削り節・・・3g
お野菜をマリネにする時、酢の物にする時、特長に合わせて下ごしらえをすることで、素材の味わいが引き立ちます。
生でも食べられるお野菜のときは、塩もみしておくことによって、余分な水分やアクを取り除いたり、食感をやわらかくすることができます。
余分な水分があると、味がしみこみにくく、時間が経つと素材から水分が出て腐りやすくてしまいます。
アクなども取り除いておかないと、そのまま全体の味わいに影響します。
日持ちさせるには、通常そのまま生で使う食材も下処理後、熱湯を流しかけて殺菌することがポイントです。
通常、加熱が必要なお野菜の場合は、焼く、ゆでる・蒸す、という調理法を、野菜に合わせて選びます。
焼くことで香ばしさが出たり、甘味やうま味が引き出されたりする素材と、ゆでる・蒸すのが合っている素材があります。
塩もみ+熱湯で作れるお野菜のおすすめは、白菜、キャベツ、かぶ、にんじん、玉ねぎなど。
細切りや薄切りなどにしたら、200gあたりに対してだいたい小さじ1/2程度の塩をまぶしてしばらくおき、しんなりしたら手でもんで、しっかりと水分をしぼります。
その後熱湯を上から回しかけ水気をしぼってから、マリネ液を加えてください。
焼いてからマリネや酢の物にするお野菜のおすすめは、長ねぎ、なす、パプリカ、きのこ類など。
それぞれ、食べやすく切ったら、オリーブオイルで焼き、粗熱をとってマリネ液を加えて漬け込みします。
同じ加熱をするにしても、おすすめに挙げた素材は、焼くことで香ばしさや甘み、うま味が増します。
ゆでる、蒸す、してマリネや酢の物にする野菜のおすすめは、じゃがいもなどのいも類、れんこん、豆類など。
いも類やれんこんなどは、電子レンジで加熱しても良いですし、豆類は水煮の缶詰を利用しても良いですよね。
ほっくりとした食感がおいしいマリネになります。
具体的なレシピ例をいくつかご紹介します。
基本のマリネ液での作り方ですが、和風のマリネ液でもOKですよ。
【かぶとしょうがのマリネ】
<材料>
- かぶ・・・中2個
- 塩・・・小さじ1/2
- しょうが(せん切り)・・・適量
A 酢・・・大さじ2
A 塩・・・小さじ1/2
A 砂糖・・・小さじ2
A オリーブオイル・・・大さじ2
<作り方>
①かぶの皮をむき、半分に切ってから、5mm厚さのくし形に切る。
塩をまぶしてしばらくおき、しんなりしたら軽くもみ、熱湯をまわしかけた後水気をしぼる。
②Aをよく混ぜ合わせたら、しょうがを加えてサッと混ぜる。
【長ねぎのマリネ】
<材料>
- 長ねぎ・・・2本
- オリーブオイル・・・大さじ1
- 水・・・大さじ3
- 粗びき黒こしょう・・・適量
A 酢・・・大さじ2
A 塩・・・小さじ1/2
A 砂糖・・・小さじ2
A オリーブオイル・・・大さじ2
<作り方>
①長ねぎを4~5cm長さに切り、斜めに数か所切り込みを入れる。
②フライパンにオリーブオイルを熱して①を入れ、焼き目がついたら、水を加えてフタをし、1分ほど蒸し焼きにして容器に移す。
③Aをよく混ぜ合わせて粗びき黒こしょうを加える。
【パプリカのマリネ】
<材料>
- パプリカ(赤・黄)・・・各色1個ずつ
- オリーブオイル・・・大さじ1
- パセリ(みじん切り)・・・適量
A 酢・・・大さじ2
A 塩・・・小さじ1/2
A 砂糖・・・小さじ2
A オリーブオイル・・・大さじ2
<作り方>
①パプリカは、タテ2cm幅に切る。
②フライパンにオリーブオイルを熱して①を入れ、弱めの中火で焼き目がつくまで焼く。
③Aをよく混ぜ合わせたら、パセリを加えてサッと混ぜる。
作り置きを失敗しない冷凍保存方法
手間や時間のかかる料理は、作りたくてもなかなか手が出せない…。
そんな料理は一度にたくさん作って冷凍保存が正解!
食べたいときに解凍すれば、あっという間におかずが一品完成します。
ハンバーグなどの焼き物、肉団子などの煮物、鶏肉の煮込み、ローストポーク、餃子などの、あるとうれしいけどちょこちょこ作るのは少し大変な料理でもコツさえわかれば冷凍保管して長持ちさせることができます。
作り置きを失敗しない冷凍保存方法を紹介します。
早く凍らせる
味落ちを防ぐ。
温かいものは粗熱をとったらすぐに容器に移し冷凍させましょう。
平たくして凍らせる
ムラなく凍らせることで、冷凍、解凍のときに均一に熱が抜けたり入ったりする。
また平たいと収納もしやすいです。
保存中は空気に触れさせない
空気に触れて霜がつくと、味が悪くなったり、細菌が付く可能性があります。
密封容器やジップロックに入れて空気をぬいて保管しましょう。
後ですが、
- こんにゃく、豆腐、しらたきなどの加工品
- じゃがいも、れんこん
などは、凍らせると味がぼそぼそになってしまうので冷凍保管には不向きです。
ただじゃがいもを使ったコロッケなどは、じゃがいもの形が残っていないので冷凍してもおいしく召し上がれます。
生野菜も冷凍には向いていません。
ほうれん草や小松菜などは一度茹でてから冷凍すると状態が悪くなりません。
作り置きする際の注意点
上記と別に気をつけていただきたいのは、衛生状態です。
調理と、特に盛り付けの際は30秒手洗いをし、容器についてもしっかりと洗剤で洗って綺麗にし、できればアルコールスプレーをするのがおすすめです。
清潔な容器に、食材を入れて暑い場合は一回り大きい容器やボウルに氷水をはり、そこに容器を入れできるだけ早く粗熱を取ります。
粗熱を取ればすぐに冷凍保管をしてください。
お召し上がりの際には、あたためて食べるものにはきちんと加熱をしてから食べることを徹底します。
食中毒防止の三原則というのがあります。
- 細菌をつけない:清潔
- 細菌を増やさない:迅速・冷却
- 細菌を殺す:加熱
上記はこの法則にすべて当てはまる事項ですので、特に作り置きではなくても、普段の調理でもこころがけましょう。
まとめ
しっかりとコツとルールを守れば、安全で美味しい作り置きができることをおわかりいただけましたでしょうか。
時間に余裕のあるときにしっかり真心をこめてつくり、普段忙しいときはこの作りおき料理を活用し、毎日の生活に少しでも余裕ができるといいですね!
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