ひな祭りの歌に歌詞5番は結論から言うと、ありません。
みなさんもよく知っているひな祭りの歌。
替え歌もよく歌っていませんでしたか?
今となってはもう歌詞そのものも、何番まであったかもはっきり覚えてはいません。
でも世間では、歌詞は5番まであるという噂があるようです。
作詞者であるサトウハチローさんの勘違いが元になっているようです。
そして、ひな祭りの歌詞には怖い意味が隠されているという説。
怖いと言うのはちょっと違うと思いますが、歌詞の裏には悲しい事実が隠されているようです。
ではこれら全ての説を検証します!
ひな祭りの歌には知らなかった歌詞5番があるの?
なぜか歌詞が5番まであるという噂があるようですね。
正直、そのような噂は今まで聞いたことがありませんでした。
どこから出てきた噂なのかを調べてみましたがその手の情報を見つけることはできませんでした。
どこから発生した噂なのか、なぜそんな噂が出てきたのか謎のままです。
ひな祭りの歌詞は4番まであることは事実です。
みなさんはこの歌をいつ頃知りましたか?
幼稚園から小学校低学年あたりで知ったのではないでしょうか。
大人になってしまったら覚えているのは冒頭部分か、せいぜい1、2番までではないですか?
この歌は子供心にも陰気くさいものを感じていてあまり好きではありませんでした。
頻繁に歌った記憶もないので冒頭部分くらいしか記憶にありません。
4番まであること自体知りませんでしたが、みなさんは知っていましたか?
歌詞が5番まである、ということははっきりと都市伝説として確立されているようです。
お子さんに訊かれたときのために、ひな祭りの歌は4番までと覚えておきましょう。
ひな祭りのみんなが歌っている歌詞には実は間違いがある!?
ひな祭りの歌詞に間違いがある説を検証していきましょう。
1. 「お内裏様とお雛様」の解釈の間違い
お内裏様(おだいりさま)は男雛(おびな)だと思っていませんか?
本来お内裏様とは男雛と女雛のセットを意味します。
そしてお雛様とは、お内裏様をはじめとしてその下の段に配置される三人官女や五人囃子など、飾られる全部の人形を総称する言葉なのです。
ところがこの歌詞のせいで、お内裏様は男雛、お雛様は女雛と勘違いされ、そのまま定着してしまったそうです。
日本語は難しいですね。
2. 「赤いお顔の右大臣」、間違いはどこ?
右大臣と左大臣。
見分け方を知っていますか?
右大臣は白い顔の若者で左大臣は酔ってしまっているのか、赤い顔のおじいさんです。
でも歌詞は「赤いお顔の右大臣」ですよね。
赤いお顔は左大臣ですから、ここが間違いポイントなのです。
わたしたちから見て、向かって左側にいるのが右大臣つまり若者です。
ややこしいですが、雛人形目線では確かに右に右大臣がいる配置となっています。
でも人間から見ると、右大臣は左側です。
サトウハチローさんはうっかり人間目線で見た配置で歌詞を書いてしまわれたようです。
ひな祭りの歌が発表された後にこの間違いは指摘され、訂正を求める動きもあったようです。
ですが歌の普及の方が早かったために訂正などが間に合わず、そのままになってしまったようです。
この件に関しては、別の勘違いもあると言われています。
この右大臣、左大臣という役職ですが文字通りの「大臣」ではないそうです。
この二人は御殿を守る随身(ずいしん)と呼ばれ、今で言えば護衛官とかSPのような存在だそうです。
大臣は朝廷の最高機関とも言えるものなので、三人官女や五人囃子の下に配置されるということはあり得ないらしいのです。
しかもそれだけ高位の役職ですから、随身を兼任するということもありえないようです。
つまり歌詞の中では右大臣、左大臣と書かれていますが実際は大臣ではなく、SPのことを指しているのです。
そんな複雑なことを子供に説明しても理解できませんよね。
人形メーカーの方でもこの二人が大臣ではないことをはっきりとは否定していません。
随身だが大臣を兼任している、というように説明してサトウさんのことをフォローしています。
物事の事実を徹底追求しなくてもこの歌が長い間歌い継がれてきたことは事実です。
それだけ心に残る歌である、という証拠でもあります。
多少の勘違いはこのままにして、事実は知識として収めておいた方がよさそうです。
サトウさんがここまでご存知だったかどうかは今となっては知ることはできません。
でもSPがお酒飲んで酔っ払って赤い顔をしていたら、立場上問題が出てきてしまいますね。
ここはやはり見なかったことにしておきましょう。
ひな祭りの歌詞には怖い意味が隠れている!?
ひな祭りの歌は不思議な歌でした。
「今日は楽しいひな祭り」と言いながら暗く悲しい短調のメロディ。
楽しさはまったく伝わってきません。
昔の日本人は長調が好きではなかったのか、ほとんどの動揺は子供向けにも変わらず短調ばかり。
物悲しいメロディをもつひな祭りの歌詞には、怖い意味が隠されている、と言われたら信じてしまいますよね。
ではどこに怖い意味があるのでしょうか。
サトウハチローさんがこの歌詞を作った頃は娘さんに雛人形を買った前後と言われています。
同時に、この歌は若くして亡くなったお姉さんへの鎮魂歌でもあるという説も有力のようです。
サトウさんのお姉さんは当時18歳で、神社に嫁ぐことが決まっていました。
ところが当時の流行り病であった肺結核にかかってしまいました。
今でこそ治る病気ですが、当時は治ることはほぼありませんでした。
サトウさんのお姉さんは18歳という若さでこの世を去りました。
2番に出てくる「姉さま」という歌詞がキーワードになります。
「お嫁にいらした姉さまに」という歌詞、この「いらした」の意味をどう解釈しますか?
結婚が決まっていたのだから、嫁に行くという意味でしょ?と現代の私たちは考えます。
ですが、この意味は「神の元に逝かれた」という意味だそうです。
作曲家はこのことを知っていて、この曲を物悲しい短調にしたのでしょうか。
また、「よく似た官女の白い顔」と言う歌詞が同じく2番にあります。
亡くなった人の顔は青白くなります。
官女の白い顔が亡くなったお姉さんの青白い顔を思い起こさせたのかもしれませんね。
子供の時に「今日は悲しいお葬式」などと替え歌を歌ったりしていた人も多いでしょう。
これはあながち間違いではなかったのかもしれません。
まとめ
ひな祭りの歌について検証しました。
歌詞の間違いなど知らなかった人も多いのではないでしょうか。
サトウハチローさんはこの歌が好きではなかったそうです。
テレビなどでこの歌が聞こえると、「テレビを切れ」と言って不機嫌になった、とサトウさんの息子さんが話されていたそうです。
歌詞に勘違いや間違いがあったから。
それも好きではなかった理由かもしれません。
お姉さんのことを忘れないようにと思って書いた歌詞。
作った時はこの歌があっという間に普及したり後々まで歌い継がれるなどということは考えてもいなかったのかもしれません。
思いがけず広範囲に普及してしまい、この歌をよく聞くようになってしまいました。
その度に亡くなったお姉さんのことが思い出されて辛い気持ちになるのが嫌だったのかもしれません。
昔の歌には当時の時勢を反映したドラマがあるようですね。
今回の検証はいかがでしたでしょうか。
新たな気持ちで1番から4番までの歌詞を読んでみてもいいかもしれませんね。
何か新しい気づきがあるかもしれませんよ。
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