ここ何年かでぐっと合成繊維の素材の服を目にする機会が増えてきています。
現在では、洋服などに使われている生地のおよそ80%に合成繊維が使われているんですよ。
その合成繊維の中でも一番よく耳にするもののひとつが『ポリエステル』。
ポリエステル繊維は天然の繊維にくらべて価格が安くて、さらにとても丈夫なので、多くのひとに愛され、重宝されていますね。
機能的にもポリエステルならではの特徴を活かし、夏の暑さも冬の寒さも快適にしてくれるという優れもの!
今回はポリエステルを着る季節の中で『冬』に焦点を当てて、様々なメリットやポイントなどをご紹介していきたいと思います。
ポリエステル生地の服の防寒対策
ポリエステルの特徴である「風を通さない」ことを利用して、防寒具としてとても役に立ちます。
先ほど名前が出てきましたが、『ウインドブレーカー』がその代表に当たると思います。
- ウインド=風
- ブレーカー=こわすもの
その名の通り、風をブロックしてくれるものなので、軽くて薄い素材なのにも関わらず、1枚でとても温かく着ることが出来ます。
単に軽くて温かいだけではなく、ポリエステル生地はとても丈夫なので、登山やキャンプなどの防寒具としてもオススメできますよ。
ポリエステルは、
- 生地が丈夫
- 水に強く乾きやすい
- シワになりにくい
- 軽い
などという特徴を取り揃えているので、アウトドアで傷が付いたりすることを気にせず、さらに荷物にしてもかさばらないので、アウトドア界隈での人気も高いんですね。
アウトドア以外の防寒具にもポリエステルが使われることがあります。
たとえば1着あたりが10万円を超えるような高級なカシミヤのコートにも「カシミヤ90%、ポリエステル10%」という割合で使われていることがあります。
これはポリエステルの「シワになりにくい」というメリットを使って生地の質を高めるために混合されているんです。
アウターだけでなく、さきほども名前がでてきた「ヒートテック」などのインナーにも。
こちらもポリエステルを含む混合生地でできています。
いくつもの化学繊維を組み合わせてヒートテックの生地はできているのですが、それぞれの特性をうまく利用し発熱させる仕組みがとても評価されています。
冬にポリエステルの素材の服を着るのであれば、インナーからアウターまで揃えると、とても効率的に防寒できると思います。
天然の素材と違って安価なのも特徴なので、冬が来る前にすべて揃えても、リーズナブルに抑えられますよ。
ポリエステル生地の服を冬に着る場合のポイント
注意うべきポイントを確認して、ポリエステル生地の服ををさらに快適にストレスなく着れると良いですね。
静電気に注意しよう
冬の時期にドアにさわったりすると、バチっと静電気が起きて、いろいろと触るのが怖くなってしまうんですよね。
ポリエステルなどの化学繊維は静電気が起きやすいと言われています。
そもそも静電気というのはマイナスの電気とプラスの電気を帯びる「異素材」同士がこすれて起こるものなので、実はポリエステルだけが静電気の原因ではないんです。
ただ、毎日着る洋服のすべてがポリエステルのみというのは考えにくく、異素材の組み合わせというのが起こってしまうと思います。
特に冬の空気が乾燥している時期には静電気が身体に帯電しやすくなっているので、以下の注意が必要です。
まず、ポリエステルのみのコーディネートの場合は、先述の通り静電気は起きにくいです。
その他にもポリエステル製の服を使っても静電気が起きにくいコーディネートが存在します。
まず素材によって帯電する電気の種類を見ていきましょう。
【プラスの電気を帯びる素材】
- ウール
- 毛皮
- ナイロン
- レーヨン
この中でもウールと毛皮が一番プラスの電気が帯電しやすい素材です。
【マイナスの電気を帯びる素材】
- アクリル
- ポリエステル
- アセテート
そしてこの中間にあるのが、麻やシルク、コットンなどの天然素材になります。
静電気はこのプラスとマイナスの異素材が擦りあわされて発生します。
つまり、マイナスとプラスの電気を帯びる生地をコーディネートしなければ、静電気は起こりにくくなるということです。
ポリエステル(マイナス)を着る場合はプラスの電気を帯びるウール、毛皮、ナイロン、レーヨンなどの素材は避けてコーディネートしましょう。
反対に同じマイナスの電気を帯びる中間アクリルや中間のシルク、コットンや麻などの生地と組み合わせてポリエステルを着ることにより、ポリエステルの静電気の問題は解決できそうです。
火のそばに注意しよう
ポリエステルをはじめとする合成繊維は、実は石油からできています。
そのため非常に燃えやすく、一度火が付くと一気に広がり、とても危険です。
熱には強いのですが、火にはとても弱いので、冬によく使うストーブだったり、調理中に火に近づいて引火してしまう恐れもあります。
冬に暖を取ろうと、火のそばに行くときは、自分がポリエステルの服を着ていないか今一度確かめる必要があります。
一度火が移ってしまうと、燃えてしまうのがとても速いので、十分な注意が必要です。
ポリエステル素材は丈夫なので、キャンプなどでも冬の防寒具として使われるのですが、キャンプ中の自炊やバーベキュー、キャンプファイヤーなど、特にお子様に着せる際には気を付けて注意深く見ていた方が良いでしょう。
繊維刺激に気を付けよう
これは人によりますが、肌の弱いかたがポリエステルをはじめとした合成繊維の生地の服を着ると、かゆみが出たり、繊維の刺激によって肌が荒れてしまうことがあります。
冬の防寒として、フリースなどの100%ポリエステル繊維のものを着る時は直接肌に触れないよう、肌着を着るなどの工夫が必要になります。
この場合は、ポリエステルとコットンなどの混合生地であれば症状が出ないことが多いので、洋服についているタグをチェックしてみてくださいね。
以上の冬にポリエステルを着る場合のポイントを気を付けながら着ることができれば、かなり快適に冬を過ごすことができます。
軽くてかさばらないのでアウターとしても、着心地が良く温かいのでインナーとしてもオススメできますよ。
ポリエステルの服を冬に着る場合の着心地
ポリエステルの冬用の服で代表的なのは、ユニクロのフリースではないでしょうか?
家の中でも温かく快適に過ごせますし、カラーバリエーションも豊富なので外着にしてもオシャレです。
表地、裏地ともにポリエステル100%のキルティングジャケットも持っていますが、こちらも温かく冬に重宝しています。
基本的にポリエステル素材の服はとっても軽く、かさばらないので、冬に着るアウターとして、使い勝手は抜群なんです。
軽いだけではなく、風を通さない特徴があるので寒い冬にピッタリ。
ただ、ポリエステル素材の服を思い浮かべるとウインドブレーカーのようなカサカサと硬めの生地が思い浮かびます。
そうなると、着心地が心配になりますよね。
いくら温かくても、軽くても、硬い生地だと家の中で着るには落ち着かなかったり、着ていける場所も限られてしまいますよね。
実は、ポリエステルとはもともとシルクに似せるように合成して作られた繊維なんです。
シルクのような肌触りかつ、強くて安いというのがポリエステルの特徴なんです。
ウインドブレーカーのような生地はスポーツなど用に防水加工がしてあったり、さらに風を通しにくくしているので硬くカサカサとした印象があるのですが、それはその製品の特長なだけであって、他にはとても柔らかな製品も存在します。
おしゃれなブラウスのような柔らかい服にもポリエステルは使われているんですよ。
着るっとサラッとしていて軽く、とても着心地良く感じます。
一番はじめに名前を挙げたユニクロのフリースも柔らかく、着ていて不快にならないですよね?
つまり、合成繊維のポリエステルならではの特徴で、その製品に寄り添った肌触りが実現できるという事なんです。
同じユニクロで有名なヒートテック。
こちらの製品にもポリエステルは使われています。
冬の寒い時期にヒートテックをインナーとして着ている人も多いのではないでしょうか?
ヒートテックはポリエステル100%ではなく、アクリルやレーヨンなどの混合の生地でできています。
それぞれの繊維の良さを生かしているので、機能的にももちろん、肌触りもとても良く、着心地が最高なんですね。
このように、ポリエステルは他の繊維と混ぜて使われることが多くあります。
混合繊維の生地にすることで、それぞれのデメリットだった部分は解消され、とても質のいい生地が出来上がります。
ちなみにポリエステル100%の服を何年も使っているのにもかかわらず、本来できやすいとされている毛玉がまったくできていません。
混合繊維にしなくても、ポリエステルの服の種類や品質によって使用感や特徴も違ってくるようです。
ポリエステル素材のアウターは丈夫で使い勝手がいい上に価格も安いので、着心地が気になって遠ざけていた方も、これを機にぜひ手に取ってみてください。
まとめ
ポリエステルはナイロンやアクリルと合わせて「3大合成繊維」といわれています。
合成繊維ときくと、やはり天然素材には劣るでしょと思われる方も居るかと思います。
ですが実際には、技術がかなり進歩していて、新しいかつ、とても機能的で使い勝手のよい商品がたくさん出てきています。
それぞれにあるデメリットも繊維を混合させることによって解消されているので、現実には天然素材より扱いやすく、便利だったりするんですよ。
とくに冬の寒い季節には、防寒具としてピッタリなので、是非ポリエステル素材の服で温かく快適な冬を過ごしてくださいね。
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