風が冷たくなりはじめ、寒い季節が近づいてくると食べたくなってくるさつま芋。
お子さんが学校行事で『お芋ほり』に行ったり、スーパーでも大量に安く売られるようになります。
買ってきたり、もらったりで、家に大量にさつま芋がストックされてしまう事ありませんか?
さつま芋のレシピもたくさんあるけれど、毎日だと飽きてしまうし、そのまま放置していて気が付くと『色が黒く変色してる』。
またはさつま芋を調理して、少し時間が経つと『緑色に変色してしまった!』。
など、こういう経験をしたことある人も少なくないと思います。
さつま芋が変色してしまったとき、どのように対処すればいいのか、また、変色しないようにする対処法などを徹底検証していきたいと思います。
さつまいもが黒や緑色に変色!食べても大丈夫?
さつま芋の中に含まれている栄養素が様々な刺激などと反応して変色しているだけなので、カビや腐っているわけではなく、問題なく食べられます。
黒くなったり緑になったり変色にも種類があるので、ご自宅のさつま芋を見て判断してみて下さい。
両端が黒くなっている
両端の切り口が黒く固まっていたり、黒いシミのようなものができている場合。
この先端の黒い部分も食べて問題はありません。
でも、繊維質が多いので、固く苦みもあって美味しくは食べられません。
切り落としてから料理などに使ったほうが無難かと思います。
この黒いかたまりや黒いシミがあるのは、実はさつま芋があまい証拠なんですよ。
さつま芋を買うときに、両端が黒いものを選んでみてください。
あまくておいしいさつま芋をゲットすることが出来ますよ。
切り口に黒い斑点
さつま芋を切ったら切り口に黒い斑点があって、腐っているのかなと思いました。
でも、こちらも食べて大丈夫なんです。
さつま芋を半分に切ってしばらくそのまま置いてみると、黒い斑点が出てきます。
一見するとその斑点はカビが生えてしまっているか、品質が落ちてきているように感じてしまいます。
悪くなってしまったのかと捨ててしまったという方もいると思います。
ですが、こちらはさつま芋の成分が変色してしまっただけなので、品質には問題ないんです。
さつま芋を切ったときに断面の皮の近くに、白くてぷつぷつとした斑点が年輪のようにあるのが見えます。
この白いぷつぷつの斑点が、時間が経つと酸化して白色から黒色に変色してしまいます。
それがカビのように見えてしまった原因なんですね。
加熱した後に緑色になる
茹でたり炒めたりと加熱してから、さつま芋をしばらく置いておいたら黒っぽい色や緑色っぽく変色してしまったことがあります。
さつま芋の天ぷらをしたら緑色になってしまったり、蒸しパンを作ったらさつま芋の部分だけが緑色になってしまったりして、使ったさつま芋が腐っていたのかな?と心配になりますよね。
これは、調理の時に使うものの成分と、さつま芋の栄養素のひとつが反応して変色してしまうだけなんです。
ですのでこちらも問題なく食べることができます。
基本的には変色しても食べられるさつま芋なのですが、以下の場合は傷んでいるので食べるのはやめておきましょう。
【さつま芋の❝食べたらNG❞のサイン】
- さつま芋全体が黒く変色している
両端だけでなく全体的に黒くなっていたら傷んで悪くなっている証拠ですので食べられません。 - 皮がシワシワ
皮がシワシワしていても変色していない場合は問題なく食べられますが、皮のシワシワと変色が同時起こっていたら捨てたほうが良いです。 - ブヨブヨとしていて柔らかい
さつま芋にハリがなく、生の状態なのに柔らかくなってしまっている場合はやめておいた方が良いでしょう。 - 酸っぱいニオイまたはカビのニオイがする
変色してなくても、明らかに強い刺激臭や、かび臭い場合はもう食べられません。 - 黒やフワフワした白いカビが生えている
黒い斑点や一部の変色ではなく、黒や白いかたまりにふわふわしたものがついていたら、それはカビです。
上のサインが出ていたら、残念ですが、あきらめてください。
では、さつま芋が美味しく食べられる期間、賞味期限はいったいどのくらいなのでしょうか。
お子さんが掘ってきたり、取れて間もないような土がついた状態で保存するときの環境が良い場合では1ヶ月くらい美味しいままをキープできます。
スーパーなどで買ってきたもので、キレイに洗浄されているものの場合は1週間くらいです。
保存するときの環境(温度や湿気など)が悪いと賞味期限よりも早く悪くなってしまいます。
調理を始める前によく注意してさつま芋を見てみましょう。
さつまいもが黒や緑色に変色する原因
さつま芋が黒や緑に変色してしまっても、問題ないことがわかりました。
でもなぜ変色するかは、気になりますよね。
それぞれに違う原因があるんです。
緑色はポリフェノールが原因
さつま芋には【クロロゲン酸】と呼ばれる成分が入っています。
これはゴボウやリンゴなどにも含まれているもので、灰汁(あく)とよばれるものです。
ポリフェノールの種類の中のひとつで、抗酸化作用が強く、活性酸素などの有害物質を無害な物質に変える作用があります。
シミやしわを防ぐ効果があるので女性にはとっても嬉しい成分ですね。
この【クロロゲン酸】が空気中に含まれるアルカリ性の物質と反応して黒や緑色に変色するのです。
上で登場した天ぷらや蒸しパンは、天ぷら粉やホットケーキミックスに入っている重曹やベーキングパウダーがアルカリ性のなので、それに反応して緑色に変色していたということなんですね。
黒色はさつま芋から出る白い液体が原因
さつま芋を切った時に出る白い液体を見たことありませんか?
それはヤラピンという栄養素で、空気に触れると黒くなります。
切り口全体が黒くなるのはこのヤラピンが原因です。
変色してしまう成分ではあるのですが、いろいろと良い効果のある栄養素でもあります。
胃の粘膜を保護したり、腸の動きを活発化させたり、便をやわらかくする作用があるんです。
食物繊維と共にお通じを良くしてくれるうれしい栄養素ですね。
そしてこのヤラピンが多いとあまいさつま芋の証拠だそうです。
さつま芋の両端が黒く変色していたら、ヤラピンが多い=甘いということなんです。
安納芋などがべたべたしているのもこのヤラピンです。
買うときはぜひチェックしてみてくださいね。
切り口に黒い斑点は低温障害が原因
さつま芋の切り口にある黒い斑点は、低温障害が原因です。
さつま芋の適温は13~16℃です。
さつま芋は低温に弱いので、冷蔵庫で保存していたり、冬の寒い時期に寒い場所で保管しておくと低温障害になりやすいのです。
変色が一部だけでとどまっている場合はその部分だけいる切り落とせば、残りは食べることができます。
でも、低温障害は全体的になることが多いので、全体的に黒ずんでしまったら残念ながら処分することになります。
さつまいもが変色するのを防止する方法
さつま芋が変色しても、問題なく食べられることはわかりましたが、黒や緑に変色してしまうと、見栄えが悪くなってしまいますね。
それを防ぐためにの対処法があるので、ご紹介します。
水につける
- 皮を厚めに剥く
- ボウルなどに水を用意する
- 切った面から水に漬ける
- 水が濁ったら水を変える
- 水が濁らなくなったら完了
水に漬ける時間はだいたい15分~20分くらいで大丈夫です。
ポイントはたっぷりの水を使ってさつま芋が空気に触れる所がないようにすること。
空気に触れると変色してしまうので水の量には気をつけましょう。
つまりこの作業は水につけて灰汁を抜いているんですね。
水につけている時にさつま芋を揉むとより早く灰汁が抜けますよ。
ポリフェノールの一種、クロロゲン酸からの変色も、ヤラピンが原因による変色もおなじ方法で防ぐことができます。
保存方法
さつま芋を保存するときに冷蔵庫には入れないでください。
上でも説明した低温障害を起こして黒く変色してしまいます。
さつま芋にとっての適温13~16℃で湿度90%が良いとされています。
ですが、ご家庭で適温適湿を保つのはとても難しい事です。
なので一般家庭では新聞紙に包んで段ボールなどに入れ、高温にならない場所で保管するのが良いでしょう。
変色を防ぎながら良い状態でさつま芋を保管することができますよ!
レモン汁を使う
これはさつま芋を調理する場合に使う物なのですが、色止めと呼ばれています。
さつま芋を煮る料理を作る時に、レモン汁を入れると(なければお酢でも代用ができます)色が変色せず鮮やかに保たれます。
さつま芋とレモンを煮ると美味しいですが、変色しないためにも一役買っているんですね。
皮を厚くむく
さつま芋の皮の近くには変色の原因となるヤラピンが多く含まれてます。
お腹のための栄養素としては良いものなのですが、変色が気になる場合にはヤラピンが残らないよう厚く皮をむく必要があります。
特に天ぷらや蒸しパンを作る時には、重曹やベーキングパウダーのアルカリ性とヤラピンが反応して緑色に変色しやすいので皮をむいて使った方が良いですね。
まとめ
さつま芋が美味しい季節には焼き芋や煮もの、天ぷらなど、魅力的な料理が多いですよね。
お子さんのおやつにさつま芋の蒸しパンもレンジで簡単にできるレシピありオススメです。
時期になるといろんなところでもらったり、子供がほってきたりとなにかと家にたまりやすい食材でもあります。
上手に保管することと、さつま芋の特性を知ることで、変色させずに美味しいまま保存しておくことができます。
できるだけ食材を無駄にしたくないですし、長く美味しさを楽しみたいので、是非うえの方法を試してみてくださいね。
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