多くの人がほぼ毎日食べているお米。
毎日炊飯器で食べる分だけ炊くので、炊いたお米が腐るところをあまり見たことないという人も居るかもしれませんね。
一人暮らしの場合だと食べきれなくなかったお米を炊飯器で保温のまま放置していたり、冷ましてから冷凍しようと出しておいたまま忘れてしまったりしてお米が腐るのを経験する人が居ると思います。
どのくらいの時間を置いてしまうと、炊いたお米が腐るのでしょうか?
腐るとどんな味やニオイがするのかなど、特に夏場の暑い時期には気を付けなくてはけないので、様々な観点からのお米が腐っているのかの見分け方を見ていきたいと思います。
炊飯器で炊いたお米は腐るとどうなる?
目に見えて変化していれば良いのですが、なかなかそうもいかないのがお米です。
白いお米のままで食べられるかもと思いがちですが、菌が繁殖してしまっているものを食べてしまったら大変です!
腐っているかすぐに判断できるように、基準を紹介していきますので、お米が腐っているかも?と気になったときはチェックしてみてくださいね。
粘り気
炊いたお米が腐っているか判断をする時に、まず大切なのが見た目です。
ただ見ただけでは色などの変化がないのであまり決定的な判断はできないのですが、しゃもじでお茶碗によそるときや、口に運ぶ前にお箸で持ち上げてよく観察してみてください。
お米は腐ると粘り気が出てきます。
しゃもじやお箸で一部を持ち上げてみて、ほそく糸を引くようだったら、それは残念ながら腐ってしまっています。
納豆のように分かりやすくネバネバするわけではなく、少し細く糸引く程度なので、あまり目立たないかもしれません。
夏場に少し時間を置いてしまったり、お米がもともと古い物であれば、食べる前に必ず『いつもと違う粘り気』がないか細かく確認した方が良いでしょう。
お箸で持ち上げた時は確認できなくても、口に入れてからいつもと違う粘り気があった場合はすぐに吐き出して絶対に飲み込まないようにしましょう。
色
次に色です。
炊いて少し時間を置いてしまい、食べる時に黄色みがかったお米を見たことありませんか?
腐っている?と思うかもしれませんが、実はそれは、お米が腐っているわけではありません!
炊飯器の中で保温のまま時間を置いてしまうとお米は水分が抜けていき、古くなっていきます。
腐っているための変色ではなく、お米の劣化ですね。
黄色いお米は100%硬いと思いますが、その硬さが水分が抜けてしまっている証拠です。
黄色くなるのは水分が飛んでしまったためなので、腐るから変色するわけではないのです。
つまり黄色く変色したお米は一応食べられるので、腐っているのかの判断基準にはなりませんでした。
ですが、黄色く変色したお米は硬くてそのまま食べるのは美味しくないのでどちらにしろ食べるのはやめておいたほうが無難だと思います。
味
次にお米が腐ってるのか判断できるのが『味』。
炊きたてのお米は甘味を感じておいしいものですが、いつもと違う『酸味』を感じたら、腐ってしまっています。
粘り気などが確認できずに口に入れてしまったら、味で判断する必要があります。
酢飯や、酸っぱい物を入れた混ぜご飯でない限り、普通のお米は絶対に酸っぱくないので、少しだとしても酸っぱいと感じたら、雑菌が繁殖している証拠です。
食中毒の危険性もあるので、飲み込まずに吐き出してください。
形
お米の粒の形は炊く前も炊いた後も細長く粒がたっていますよね?
それが腐ってしまっていると、形を保てずにドロッと溶けたようになってしまいます。
普通のお米の形と違う、お水の量関係なく柔らかすぎる場合は腐っている可能性が高いので、食べずに捨ててしまいましょう。
この場合はお米自体が古かった可能性が考えられます。
生米は長く保存できますが、保存している温度や湿度によっては早く悪くなってしまうこともあります。
一度米びつの中を確認してみると良いでしょう。
カビ
こちらは見れば一目瞭然で、腐っているとすぐわかります。
黒・緑・黄土色など、普通のお米では考えられない色を見つけたら、絶対に食べないようにしましょう。
カビの生えている部分だけ取り除いて食べるのも避けた方が良いでしょう。
炊飯器の密閉された中で、一部分だけカビが見えても、細菌は全体に広がっているものと考えた方が良いです。
もし上にあげた変化を見落としてしまい、腐ったご飯を食べてしまった場合は、下痢や嘔吐などを引き起こす『食中毒』や『食あたり』の症状が起こる可能性が大いにあります。
健康状態がよく、胃腸が強い人ならそのまま体外へ排出できるので、大事には至りません。
ですが、小さいお子さんや、妊婦さん、ご高齢の方、または免疫力が落ちている時にはかなり症状が悪化してしまうこともありますよ!
強い腹痛や血が混ざっていたりしたら、たかが食あたりと思わずに、早めに病院で受診した方が良いでしょう。
自己判断で下痢止めなどを飲んでしまうと、後々悪化してしまう場合もあります。
気を付けましょう。
臭いでの見分け方
次に臭いで炊いたお米が腐っているか判断する方法を紹介していきます。
お米だけに限らずに、食べ物全般が腐ると酸っぱいにおいがしてくるのが普通だと思います。
炊いたお米も同様に、お米本来の風味が消えてしまい、雑菌の繁殖による『腐敗臭』や『カビの臭い』、『発酵したような臭い』などが発生します。
それらのニオイが出てきたときには嗅げばすぐに食べないほうが良いと判断できると思います。
お米の炊き立てのニオイが分かる人なら、異変にすぐ気づけるはずです。
酢メシ以外でお米から酸っぱいニオイがするということはまずありません。
腐敗臭や発酵したような臭いでよく例えられるのが『納豆のニオイ』です。
近くに納豆がないのに、ニオイがする場合は雑菌が繁殖している可能性が高いです。
納豆ご飯を食べる場合は、納豆を開ける前にまずお米から納豆臭がしていないか確認する必要がありますね。
雑菌が繁殖しているだけの場合は加熱調理で殺菌ができます。
たとえばチャーハンにしたり、おかゆやおじや、リゾットなど。
ですが、食中毒の菌やカビが繁殖してお米が完全に腐ってしまっている場合には、完全に殺菌することはかなり難しいです。
雑菌だけなのか食中毒の菌がいるのか素人では絶対に判断ができないので、少しでもいつもと違うニオイがしたら再調理せず、そのまま捨ててしまった方が良いでしょう。
強いニオイがすれば食べる気にはならないと思いますが、もし口に入れてしまってからいつもと違うニオイに気づいてしまった場合は飲み込まずに吐き出して捨てるようにしてください。
時間での見分け方
ご飯が炊きあがってからお米が腐るまでの時間の目安があるので腐っているのか気になる場合は作ってからどのくらい時間が経っているかも合わせて確認すると良いと思います。
保温
お米が炊けてからは、保温機能で保存しておく人が多いと思います。
保温しておけば、炊飯器の種類にもよりますが、最長で24時間は腐ることなく保存しておけます。
ですが、保温を長時間してしまうと、水分が抜けてパリッパリのお米になってしまいますよね。
いくら炊飯器が進化して、保温機能が向上していたとしても、腐る腐らないの前に24時間保温しておいたお米は食べたいと思わないと思います。
ひとつの目安として知っておくと良いですね。
ちなみに、炊飯器で保温をして、そんなに長い時間経っていないのに、お米から異臭がしたり、腐るようなら、それは炊飯器そのものに雑菌が繁殖している可能性があります。
炊飯器は内釜だけでなく、フタやゴムパッキンも取り外して洗えるものが多いです。
それを知らずに放置してしまっていると、目に見えなくても炊飯器の中が大変なことになっているんですよ。
目立った汚れがついていなかったとしても、雑菌がたっぷりついているなんてこともあるので、かならず炊飯器のフタや内蓋、ゴムパッキンなどすべてを取り外して、毎回洗うように心がけましょう。
季節
炊きあがったお米を常温で置いておく場合に、季節によって腐るまでの時間が変わります。
季節によって気温や室内の温度、それに加えて湿気も異なるので、腐るまでの時間もだいぶ変わってきますよ。
- 夏・梅雨:6時間
- 春・秋:半日から1日
- 冬:1日から2日
夏や梅雨の季節が一番短くて6時間となっています。
ですが、その日の気温と湿度によってはもっと早く悪くなることもありますのでその時その時で確認する必要があります。
基本的には炊きあがったらなるべく早く食べきるか、残ったらすぐに冷凍庫で保存するのが理想なので、夏場にお米を常温で保存することはオススメできません。
反対に冬場であれば、常温でも最長2日持ちます。
気温と湿度が低いので雑菌が繁殖しにくいのです。
ただ、炊く前のお米自体が古い場合は上の時間に関係なく腐るまでの時間が通常より早まってしまいます。
食べる時はニオイや粘り気などをチェックしてから食べるようにしましょう。
吸水時間
保温機能と共にもう一点気を付けたい炊飯器の機能が『タイマー機能』です。
夜お米を洗ってスイッチを押しておけば次の日の朝にごはんを食べるちょうどいい時間にお米が炊き上がる、とっても便利な機能ですよね。
ただ、タイマー機能を使っている時は自然と水に浸しておく時間がかなり長くなってしまうはずです。
冬場はまだ良いにしろ、夏は夜でもかなり高い室温になりますし、梅雨の季節は湿気がとても多いです。
そんな中、炊飯器の密閉された中で水に浸されていると、細菌たちにとって最高の環境となってしまい、お米に雑菌が繁殖してしまうんです。
その結果、腐ったお米が炊けてしまうということになりかねません。
忙しい朝に時間がなかったり、面倒くさいかもしれませんが、せめて夏と梅雨の季節だけでもタイマー機能は使わずにお米を炊いた方が良いかもしれませんね。
夕方に吸水させて30分後から炊き始めるためのタイマー機能の使用であれば浸水時間が短時間ですむので腐るようなことはほぼありません。
吸水は美味しいお米を炊くうえで大切ですが、時間が長くなりすぎないように注意していきたいですね。
温度での見分け方
お米に雑菌が繁殖する温度を知っていますか?
それは60℃以下です。
この温度を下回った瞬間から雑菌はどんどん増えていってしまいます。
雑菌はデンプン・糖分・水分が大好きです。
そのすべてがお米にはたくさん含まれています。
雑菌の大好きな栄養と温度が合えば、雑菌にとって最高の環境となってしまい、たちまちお米は腐っていってしまいます。
お米を炊いている時の温度は圧力やIHなど、どの炊飯器でも100℃前後です。
そこから自動的に保温に切り替えられて、温度は少し下がり、70℃前後になります。
この保温の70℃という温度が保たれていれば、お米がすぐに腐るということはまず考えられません。
ですが、問題は炊飯器から出したあとです。
すぐに炊いた分のお米をすべて食べられる量なら問題ありません。
ですが、食べきれなった場合に、炊飯器から出して常温で置いてしまうと、腐る可能性がグッと高まってしまいます。
炊飯器から出した瞬間から、保温温度の70℃から温度はどんどん下がっていき、すぐに雑菌が大好きな60℃以下に下がっていってしまいます。
つまりいかなる場合にも炊いた後のお米を常温で保存するのは良くないということですね。
では常温にならざるを得ないお弁当の場合はどのように保管すればよいでしょうか。
朝作って、食べるのはお昼なので、少なくとも4時間近くは常温で保管ということになってしまいます。
その間ずっと70℃以上を保たせておくのは普通はできないですよね。
冬場はそんなに心配しなくて良くても、梅雨や夏の暑い時期には高温や湿気から食べるころには腐ってしまっている可能性が高いですね。
いざ食べようとしたときにお弁当箱を開けてごはんが腐っていたらとても残念な気持ちになります。
そこで役に立つのがお弁当の定番『うめぼし』です。
梅干しに含まれる塩分とクエン酸で、雑菌の繁殖を抑えてくれます。
お米の上に梅干しをのせただけの日の丸弁当もお米を腐らせないようにする工夫から生まれたものなんですね。
もしうめぼしが苦手なら、ショウガや大葉にも抗菌作用があります。
炊き立てのお米に小さく刻んだショウガと大葉を混ぜ込んでおけばいろどりも鮮やかですし、とても清涼感のある混ぜご飯になります。
そのほか、塩分の効いたふりかけなどをかけておいても効果は期待できますよ。
お弁当にせずに、自宅で保存する場合は炊飯器から出してすぐに冷凍庫へ入れるのが理想です。
ですが、冷めていないものを冷凍庫にいれるのは冷蔵庫本体への負担や、他の食べ物が溶けたりしないかなど不安になってしまいますよね。
そんな時は炊飯器から出したお米をおにぎりにしてしまいましょう。
塩を振ったり、梅干しを入れたりして、常温でも雑菌の繁殖を極力抑えるように工夫できます。
おにぎりにしてから冷凍しておくのも、お弁当に使ったり、小腹がすいた時などに温めてすぐに食べられるので、とても便利でオススメですよ。
お弁当の場合でも、冷凍庫に入れる場合でも、冷ましてからフタをしたり封をした方が良いとされています。
それは、温かいうちにフタを閉めてしまうと、蒸気によってできる水滴がカビの原因になってしまうからです。
いくら塩分やクエン酸などで抗菌しても、水分は大敵です。
できる限り冷ましてから保存・保管するように心がけましょう。
まとめ
日本人の主食といったらお米ですね。
なにかと長期保存できると思いがちですが、炊いてしまったあとは、そうはいきません。
確かに炊く前の生米は保存期間が長くても問題ありません。
カビや虫には気を付けたいですが、炊いたお米のように1日で腐るということはないですもんね。
炊いた後のお米は気温の高い時や湿気が多い時には特に気を付ける必要がありましたね。
普段は大丈夫だからと粘り気や味、ニオイなどの確認せずに食べて食中毒になってしまったなんてこともありますから、食べる前に少し確認する癖をつけたいものです。
なるべく残らないように、量を調整して炊くのも意外に難しいものなので、残ってしまったら抗菌作用がある食べ物と一緒にして、おにぎりや混ぜご飯にしておくのも良い手ですね。
でもやっぱり白米で食べたいという方はお米が腐る前に対策をして、美味しくご飯が食べたいですね。
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