「無水エタノールを家から見つけたら、期限切れだった!」
「使ってないエタノールがあったけど、これいつ買ったやつだろう…」
「いつ開封したのかわからないけど、使っていいのかな?」
使用期限が過ぎたものを使うのは怖いですよね。
しかし、だからと言って捨てるのはもったいないです!
エタノールは期限が切れていても、掃除用や消毒用として十分使うことができます。
そこで今回は、エタノールの使用期限と、期限切れのエタノールの使い方についてお話します。
- 無水エタノールの使用期限は?
- 無水エタノールの使用期限が過ぎたら殺菌はどうなる?掃除に使える?
- 無水エタノールを使うときに気をつけること
- 処分したいときはどうする?
ご自宅にある古い無水エタノール、ぜひ有効活用してください!
無水エタノールの使用期限は?未開封と開封後の違い
無水エタノールの使用期限は?【未開封の場合】
未開封であればだいたい3年と言われています。
エタノールは安定な物質であり、使用期限を記載する義務が無いため、使用期限が記されていない商品もあるようですが、その場合でも3年と考えて問題ありません。
なぜこんなに長いかというと、無水エタノールはその名の通り、ほとんど水が含まれていないからです。
大抵のものが腐ったりカビが生えたりするのは、そこに水分があるからなのですが、未開封であればまず水分が入る余地がなく、長期間の保管ができるというわけです。
ただ、直射日光が当たる場所や、高温になる場所に置かれていた場合はこの限りではありません。
たとえば、車の中は夏だと40~50℃にもなります。
温度が高くなると引火性が高まるので危険です。
部屋の中に置いてあっても、直射日光が当たる窓際では温度が高くなります。
保存方法が悪かった場合は、使用期限を短めに考えたほうがいいかもしれません。
無水エタノールの使用期限は?【開封後の場合】
保存方法が適切であれば、未開封の使用期限と同じと考えて大丈夫です。
しかし、別の容器に入れ替えている場合は密閉性が確認できないため、数週間程度と言われています。
市販で売られている容器は密閉性が非常に高いため、保存する際はボトルを入れ替えないようにしましょう。
すぐに使わないのであれば、そのまま蓋をしっかり閉め、直射日光と高温多湿を避け、暗い場所で保管しましょう。
また、容器の注ぎ口に触れると、手についた最近が容器内に入ってしまうおそれがあります。
使用する際は手袋を着用するといいでしょう。
無水エタノールの使用期限が過ぎたら殺菌はどうなる?掃除に使える?
結論から言いますと、使用期限が過ぎても、殺菌消毒の効果はほとんど失われることはありません。
ただ、期限切れである以上、消毒用として人体に使うのはよろしくないので、どこに使うのかと言うと、部屋の掃除です。
無水エタノールの性質を利用することで、水では掃除できない、掃除しにくい場所が掃除できるようになりますよ。
それでは、無水エタノールによる掃除法をいくつかご紹介します。
精密機械の汚れ
無水エタノールはその揮発性の高さから、家電や精密機械など、水を使うことができないものの掃除に最適です。
パソコンにも使用できます。
掃除する前に、電化製品の電源は必ずオフにしてください。
これは他の場所を掃除するときにも言えますが、無水エタノールはすぐに揮発してしまうため、布に染み込ませて拭くほうがよいでしょう。
キーボードやリモコンなど、掃除しにくいものは綿棒か歯ブラシを使いましょう。
キッチン周りの汚れ
キッチン周りの掃除でネックになるのが、頑固な油汚れですよね。
そこで登場するのが無水エタノールです。
無水エタノールは油と混ざることができるので、油汚れを落とすことができます。
スプレーボトルに入れた無水エタノールを油汚れに直接吹きかけ、乾いた布で拭き取りましょう。
電子レンジ内部の汚れにも使えます。
注意点として、無水エタノールは引火性があります。
使用する際は火気にくれぐれも注意してください。
窓ガラス、鏡の汚れ
揮発性の高い無水エタノールであれば、拭き跡が残らないので、窓や鏡をきれいに仕上げることができます。
やわらかい布かキッチンペーパーに無水エタノールをつけて拭きましょう。
二度拭きする必要がないので楽です。
油性マジックペンの落書き
子供が油性ペンで壁に落書きしてしまったら、無水エタノールの出番です。
この場合も、やわらかい布に染み込ませて拭き取るだけです。
ただ、洗浄力が強いのでデリケートな素材だと痛めてしまう可能性があります。
シールの剥がし跡
シールを貼ったところはベタベタして気になりますよね。
ここにも無水エタノールが使えます。
シール跡に垂らすか直接吹きかけ、布でこすって落とします。
落ちにくい場合は歯ブラシを使うとよいでしょう。
アロマスプレー
無水エタノールは水とオイルが混ざりやすくする効果があります。
これによってアロマスプレーを作るときにも役立ちます。
ハッカ油を使えば虫除けになります。
比率は無水エタノール1:精製水9で、ハッカ油は数滴ずつ足していきます。
ユーカリやラベンダーを使えば花粉症対策になります。
無水エタノール1:精製水5で、オイルは数滴ずつ様子を見ながら足していきます。
タッパーのにおい取り
タッパーについたにおいは、洗剤ではなかなか取れません。
そんなときは無水エタノールです。
無水エタノールを布に染み込ませて拭くと、においが取れます。
内側だけでなく外側もしっかり拭きましょう。
メイクブラシの手入れ
メイクブラシは水分がつくと雑菌が繁殖します。
そこで、水分を含まない無水エタノールが活躍します。
無水エタノールをガラス容器に入れ、メイクブラシをその中でかき混ぜるようにして洗いましょう。
水洗いと違ってすぐに乾きます。
無水エタノールを使うときに気をつけること
このようにたくさんの用途がある無水エタノールですが、使用する際は注意が必要です。
揮発性が高いため、密室で使うとエタノールに酔ってしまう可能性があります。
使うときは必ず換気しましょう。
引火性があるため、コンロやライターなどのそばで使わないようにしましょう。
エタノールが油汚れを落とせるのは、脂質を溶かす性質のためです。
また、水分を奪う性質があるため肌に触れると肌荒れの原因になります。
使用する際はゴム手袋の着用をおすすめします。
穴が開いてしまっても困るので、できれば厚手のものがよいです。
また、目に入っても危険なので、目より高い位置での使用は十分注意してください。
無水エタノールはニス、発泡スチロール、革製品などと反応して変色してしまう可能性があります。
そのようなものには使用を控えましょう。
消毒用エタノールの作り方と使い方
実は、無水エタノールはそのままだと殺菌消毒効果はあまりありません。
揮発性が高すぎて、効果を発揮する前に蒸発してしまうためです。
エタノールは濃度70~80%で最も殺菌力が強いとされています。
市販の「消毒用エタノール」もだいたいこの濃度になっています。
そこで、無水エタノールに水を20%入れて薄めることで、消毒・殺菌効果が期待できます。
期限が切れていても大きな問題はありません。
注意点として、スプレーボトルに入れて使うときは、そのボトルがアルコール対応なのかどうか確認してください。
非対応の場合、容器が溶けてしまう可能性があります。
アルコールに対応している素材は、PE(ポリエチレン)、PP(ポリプロピレン)、PVC(ポリ塩化ビニル)などがあります。
しかし、注意事項を確認して、アルコール不可と書いてあればやはり使用は控えたほうがよいでしょう。
心配であれば、ガラス容器を使えば問題はありません。
このスプレーは、主にカビ掃除とカビ予防に使用することができます。
その方法をご紹介します。
①お風呂
気になる箇所に吹きかけておけば、カビを分解してしまうことができます。
ただ、いきなり吹きかけるとカビの胞子が吹き飛んで拡散してしまう可能性があるので、先にエタノールを染み込ませた布で拭きましょう。
15分ほど放置したら、その後はスプレーをキッチンペーパーに吹きかけ、隅々まで拭きましょう。
定期的に吹きかけることで、カビの再発を防ぐことも可能です。
揮発性が高いため洗い流す必要がない点もグッドです。
掃除の際は換気を忘れないでください。
②畳
カビ菌は多湿環境を好むので、畳に発生してしまったら水拭きをするのはリスクが高いです。
目に見えていなくても、変な臭いがする場合は隠れて発生している場合があります。
ここでも無水エタノールを活用しましょう。
- カビが生じている(と思われる)部分にスプレーする
- スプレーしたところを、たわしやハブラシで優しくこすり落とす
- 畳の目に沿って掃除機をかける
③窓、窓枠
窓は結露によってカビが生えやすい場所です。
カビを掃除する場合は、消毒用エタノールを用意しましょう。
- 中性洗剤と水を含ませた雑巾で窓を拭き、おおまかな汚れを落す
- 布を巻きつけた割りばしや綿棒、歯ブラシなどで窓枠の細かいところの汚れやホコリを取る
- 乾いた雑巾にエタノールを吹き付けて、カビ部分をきれいにふき取る
- 窓全体にエタノールを吹き付けて、カビの繁殖を防ぐ
カビ取り用の消毒用エタノールと、掃除用の無水エタノールを使い分けるといいでしょう。
④クローゼット、押し入れのカビ防止
念のため、中に入っていたものは外に出し、日光に当ててカビをしっかり取り除きましょう。
一見カビがないように見えても、見えない菌がついている可能性があるからです。
乾いた布にエタノールを染み込ませてカビ部分を拭き、できるだけ風通しを良くするために扉を開け、棚もできるだけ出しておきましょう。
カビがなければ無水エタノールによる掃除でも大丈夫ですが、カビ防止という意味では、消毒用エタノールを使うほうが一石二鳥になっていいでしょう。
⑤まな板の除菌
消毒用エタノールをまな板に吹きかけておくと、除菌効果が期待できます。
スプレーしたあとは洗い流さずに乾かしましょう。
まな板だけでなく、他の調理器具も同じように除菌できます。
処分したいときはどうする?
ここまで、多種多様な使い方を紹介してきましたが、「やっぱり期限切れは使いたくない」「さすがに使うのはヤバそう…」という場合もあるでしょう。
そこで、最後に処分の方法をお話します。
繰り返しになりますが、エタノールには引火性があるので処分には十分注意する必要があります。
捨て方としては、少量のエタノールを多量の水で薄めながら捨てましょう。
エタノール1に対して水5程度であればいいでしょう。
その際は火気に注意するだけでなく、換気しながら、念のため手袋をしましょう。
ちなみに、トイレに捨てれば消毒・消臭効果が期待できます。
まとめ
今回は、期限が切れてしまった無水エタノールの有効活用法について解説しました。
もちろん、期限内に使うに越したことはないですが、切れてしまってもあきらめずにお部屋掃除に役立ててください。
掃除なら、期限に関係なく使えます。
殺菌消毒効果も十分期待できます。
どうしても捨てたいときは、トイレに流すことをおすすめします。
今回は以上になります。
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