窓、それは風をしのいで、太陽の光だけを効率よく取り入れる為に欠かせないモノですよね。
こういった機能性を持ち合わせながらも「出窓」などといった形で、インテリアの一つとしても楽しめるモノですね。
そこで、窓の名称を、あなたはどれだけご存じでしょうか。
新築の家を建てようとしている時や、新しい家へお引越しした時に、お部屋のインテリアを考えるとき。
大掃除の時、窓の中でも特に汚れた部位をキレイにするために、何か洗浄剤を購入したいとき。
DIYやリフォームで窓に関連した何かを購入したい時。
ふとした瞬間に、窓についての部位の名前を知りたい時ってありますよね。
そんなお悩みを、ここで解決いたします。
今回は意外と知られていない窓枠関係の名称や、それぞれの役割をご紹介していきます。
窓枠まわりの名称を部位ごとに紹介!
私は、4~5種類かなと思っていました。
調べてみたところ、なんと!23種類あるそうです。
日本で一番代表的なタイプの窓であり、一般的によく知られているのは「引き違い窓」だと思います。
「引き違い窓」とは、2枚以上のガラスをレールにはめて、横にスライドさせて開閉するタイプです。
名前の通り、引き違いになっていて、窓を開けると窓が重なる状態になる窓のことです。
これは、日本独自の開閉方式だそうです。
そう言われてみれば、外国でこのタイプの窓、見たことないですよね。
私は以前外国に住んでいた時、窓にハンドルがあって、そのハンドルを90度回して外に押し上げるタイプのものが、比較的多かったように記憶しています。
これは「突き出し窓」という種類のようです。
ここでは、23種類すべてを例に挙げて窓枠の名称をご案内することはせずに、この代表的な1種類「引き違い窓」で、各名称と役割をご紹介したいと思います。
まずは、イメージしやすいように、窓ガラスを漢字の「田」とイメージしてください。
「田」の漢字の中の、4つの空間にあたる部位が「ガラス」です。
これは、わかりやすいですね。
ガラスは、外から雨風を通さないようにする役割があります。
次に、「田」の外枠と中央の縦ラインです。
2枚の引き違い窓と見立てた場合、この外枠と中央の縦ラインは「窓枠(まどわく)」と呼ばれます。
サッシや扉の可動部(障子)のフレームとなっている部分を指す言葉です。
窓枠の役割は、窓自体を支持・固定することです。
また、窓はサッシやその他たくさんのパーツでできており、これらをキレイに収める役割も担っています。
これとよく似た名称で、同じような部位の外枠を「額縁(がくぶち)」と呼ぶことがあります。
「窓枠」と「額縁」はそもそも、同じ場所の名称でしょうか。
いいえ、違います。
「額縁」は、窓を囲む建材のことです。
窓の開口部と住居の壁や天井の取り合いをする役割を果たしています。
また、「額縁」は装飾的なものとしても取り入れられることがあります。
「額縁」は「窓枠」と同じではなく、いわゆる「縁」なのです。
よくパズルや表彰状などを、額縁に収めて飾ったりしますよね。
装飾的な意味も含めて、そういうイメージです。
窓の「額縁」にも、同じく装飾的な意味合いがあります。
したがって、物理的には「額縁」がなくても窓を取り付けることは可能です。
しかし、「窓枠」がないことには、窓は取り付けられません。
「窓枠」と「額縁」には、そういった違いがあります。
漢字の「田」をイメージした時に「額縁」はどこに当たるか。
「田」の外枠は1重で、それが「窓枠」に該当すると申しました。
「田」の漢字の、更に外側にもう1周「口」があると想像していただければ、その外周の「口」部分が、「額縁」に該当します。
次に、引き違い窓の窓ガラス2枚をイメージしてください。
今回も、わかりやすいように、窓ガラス2枚が、左右の引き違い窓になっているイメージとして、漢字の「田」に例えてみます。
左側の「日」部分が1枚目の窓ガラス、右側の「日」部分が2枚目の窓ガラスとします。
「田」の縦中央線の中ほどには、鍵があります。
この鍵部分の名称は、そのまま「鍵」でも良いのですが、一般的には「クレセント・クレセント錠」と言います。
その鍵を回転させひっかける部分を「クレセント受け」と呼びます。
これらの役割はあえて紹介するまでもないですね。
鍵をかけるためのものです。
このクレセントがある位置は「田」の漢字で言うと、中央の縦ライン上です。
この中央の縦ラインは「召し合わせ框(めしあわせがまち)」と呼びます。
左側の窓ガラスで言うところの、右側縦ラインと、右側の窓ガラスで言うところの、左側縦ラインです。
いずれもこう呼びます。
要するに、引き違い窓を閉めた時に、左右の窓が重なる部分をこのように呼びます。
この「召し合わせ」は、左右にある2枚の窓ガラスの隙間を埋める為のものと言われています。
次に、「田」の横を左右に走る中央ラインは、窓ガラスの上下を分ける為に、時々中央に補助が入っている場合があります。
この部分を「中桟(なかざん)」と呼びます。
別名として「中框(なかがまち)」とも呼ぶそうです。
この「中桟」の役割は、やはり強度や耐久性を良くするためです。
窓ガラスは直接外気にさらされることも多い為、上下一続きの大きな一枚ガラスを使うより、中桟を入れ、上下にガラスを分けて、強い風などにも割れずに耐えられるようにする為です。
次に、「田」左右の縦ライン、上下の横ラインの名称に移ります。
引き続き、漢字の「田」引き違い窓の、窓ガラス2枚と仮定します。
この左端右端の縦のラインは「たて框(がまち)」と呼びます。
簡単に言うと、窓ガラスのガラス部分の周囲の枠を「框(かまち)」と呼びます。
この「框」という単語は、窓の色々な部位に使われていますが、窓の部位に関わらず、玄関などにも使われたりします。
「框」とは、玄関や床の間の縁を隠す化粧材を指しています。
これらは、いずれも「装飾」としての意味合いが強いようです。
さて、また話を窓に戻します。
次は、「田」の上下にある横ラインの名称です。
上のラインを「上桟(うわざん)」と呼び、下のラインを「下桟(しもざん)」と呼びます。
これらは前述の「中桟」と同様、窓ガラスのガラス部分を上下から補助し支える役割を担っています。
この2枚の引き違い窓の左右1枚ずつの窓ですが、左側の窓ガラスが外気側、右側の窓ガラスが屋内側とした場合、左側の窓ガラスは「外障子」と呼ばれ、右側窓ガラスを「内障子」と呼びます。
したがって「内障子上桟(うちしょうじうわざん)」や、「外障子召し合わせ框(そとしょうじめしあわせがまち)」などと言えば、どちらの窓のどの框・桟を指しているか明確に伝わります。
ちなみに「障子」とは、ここでは一般的な和紙が張られている障子ではありません。
窓ガラスのガラス部分と框を合わせてものを「障子」と言います。
一通りの窓ガラスの名称についてご紹介いたしましたので、次に、窓枠の下部分(土台)についてお伝えしていきます。
窓の下の部分の名称は?
さて、もう少し窓枠の名称について、続けていきます。
「窓ガラス」の下の部分については前述のとおり、「下桟」などと呼ぶとご紹介しましたが、では「窓枠」の下の部分は、どういう名称なのでしょうか。
窓枠の下部分は、色々ありますよね。
窓枠を挿し込む溝の部分は、レールと呼びますよね。
引き違い窓の場合は、必ずレールがあります。
「サッシ(サッシュとも言います)」という名称もありましたね。
さて「サッシ」は、一体どこの部分のことをいうのでしょうか。
「サッシ」は、窓枠として用いる建材のことを指します。
窓枠を用いた建具で、サッシ窓そのものを「サッシ」と呼ぶこともあるそうです。
また、枠と框、鍵などの部品をまとめた総称を「サッシ」と呼ぶこともあるそうで、かなり広い意味で使われているようです。
一般的な窓ガラスをイメージしてください。
窓ガラスの周りについている、アルミの部分が「サッシ」ということにいなります。
ただ、実際現場で使われる用語としては、可動しないサッシ部分については、障子を収める固定枠という意味で「サッシ枠」と呼ばれているそうです。
ここで言う「サッシ枠」は、いわゆる「窓枠の土台」のことです。
「サッシ」とは本来、障子と枠を合わせたものの通称ですが、実際はもっと広い意味を持ち合わせて使われていることが多いようです。
次に、その窓ガラス自体を窓枠にはめるときにお世話になるのが「レール」です。
レールは、窓枠の下部分にある、あの溝のことです。
これは知らない方はいないと思います。
窓枠のゴムの正式名称は?
これで、窓の部位の名称と役割はある程度ご紹介しました。
続いて、窓のガラスの周囲も取り付けられているゴムについてです。
最近ではあまり見かけなくなりましたが、古い窓ガラスですと、窓ガラスのガラス部分と框部分の間にゴムが挟まれていたのを覚えていますでしょうか。
このゴムの名称、ご存じですか。
そう、「ゴムパッキン」ですね。
これは有名です。
ちなみに、このゴムパッキンの正式名称をご存じですか。
実は、「ゴムパッキン」という名称は、正式名称ではありません。
これは、なかなか知らないですよね。たいてい、「ゴムパッキン」で通用してきましたからね…。
まさか、これが正式名称でないとは、思いもしませんでした。
正式名称は「グレージングチャンネル」と言います。
略して「グレチャン」と呼ばれているそうです。
この「グレージングチャンネル」には、ガラスとサッシを固定するという大切な役割があります。
したがって、このゴムが劣化することで、安定性が失われガタついてしまいまいます。
最近の窓では、昔の古い窓のように、窓ガラスとサッシの間のグレージングチャンネルが露出してはいません。
これは露出していないだけで、この部材自体は今も使われています。
私は、今までゴムパッキンが正式名称だと思っていました。
きっと私と同じように、今の今まで、ゴムパッキンが正式名称を思っていた方も少なくないはずです。
おそらく、ホームセンターや建具屋さんなどで「窓のゴムパッキン」と言えば、99パーセント通じるのではないかと思います。
しかし、せっかくですからね。
是非これを機に覚えてください。
「グレージングチャンネル」です。
まとめ
ここまで窓の関連する名称やその役割をみてきましたが、いかがでしたでしょうか。
聞いたことのある名称が多かったと思いますが、聞きなれないものも多かったのではないかと思います。
個人的には、ゴムパッキンに正式名称があるとは思っていませんでしたので、これには驚きました。
また、実際、その単語がどこの部位を指しているかというのはもちろんありますが、それが実際の現場でそのように使われているかというと、それは「NO」です。
「サッシ」のように、実際の意味より少し広い意味で使われることもあります。
「框」と、それだけの単語で使ってしまうと、玄関や床の間にも用いられたりして、誤解を招いてしまう単語もあります。
この場合は必ず「たて框」とか「よこ框」と詳細に呼ぶようにした方が良さそうですね。
最後に、「窓」全体としての役割についてご紹介します。
ひと昔前は、風をしのいで光だけを効率よく吸収する為、空気の入れ替えをする為、といった機能的な問題で窓を取り付けていたと思います。
しかし、今では「窓」自体を一つのインテリアとして、家やマンションを設計するようになってきました。
これまでに述べてきた通り、窓は色々なパーツで構成されており、そのパーツを窓枠にいかにきれいに収めるかも「窓枠」の役割として担っています。
窓は、「装飾」としての意味合いも持っており、いかにおしゃれに機能的な窓にするのか、貴重なインテリアの一つです。
そして、その窓からの景色がどのように見えるのか、これも一つのインテリアですね。
冒頭でも述べましたが、窓の種類は、全部で23種類あります。
この数字が何より「窓」がインテリアの一つとして扱われるようになったということを象徴していますよね。
これから家を新築しようとしている方、窓を入れ替えようとしている方、DIYでリフォームしようとしている方。
はたまた、大掃除をしようとしている方。
そんなあなた。
是非、これらの窓に関連する用語を駆使して必要なものを購入してください。
覚えていて損はないと思いますよ!
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