軽くて、保温性、放湿性にも優れた羽毛布団は、布団の中でも最高級品で、高いものだとウン百万とするものもあります。
最高級品でなくても何十万もするものなので、しっかりメンテナンスして長~く使いたいですよね。
羽毛布団のダメージを考えると、洗うのは年に1〜2回がベストと言われています。
ワンシーズンに1回程度が限度ですね。
洗濯回数があまり多くない分、布団が汚れないように布団カバーは必ず使用するようにしましょう。
布団カバーは週に1〜2回洗うと清潔な状態が保てますよ。
また布団は思っている以上に寝ている間の汗を吸っているため、1週間に1回くらいは、晴れた日に陰干しするか布団乾燥機にかけるなどして、しっかり乾燥させると長持ちします。
シーズンが終わりいざ洗う時に、クリーニング店に出すのか、家庭の洗濯機で羽毛布団が洗えるのか、気になったことはありませんか?
今回はそんな疑問を徹底解剖していきます。
羽毛布団をお持ちの方は是非参考にしてみてくださいね。
羽毛布団を自宅の洗濯機で洗える?
結論から言うと、羽毛布団は家庭の洗濯機で洗濯することができま…….す!
「羽毛布団は家の洗濯機では洗えない。」というのが今までの常識だったと思いますが、実はある基準をクリアしていれば、一般的な洗濯機で洗濯可能なんです。
その基準というのが、「洗濯表示」と「洗濯機の大きさ」。
おおまかに言うと、この二つがクリアできていれば、家庭で洗濯可能です。
羽毛布団は毎日使うものですから、家庭の洗濯機で洗えるとべんりですよね。
冬場に使うものとは言え、寝ている間の汗や皮脂などで汚れやニオイが気になります。
汗は目に見えるものだけはなく、皮膚からも発散されています。
人は一晩にコップ一杯分(約180cc)もの汗をかくと言われていますが、汗の成分や皮脂の脂肪分、フケやアカ等の汚れはふとんの中でダニや雑菌の温床となってしまいます。
丸洗いをしない布団は使用年数と共にダニのえさとなる汚れが大量に蓄積されていきます。
アトピー性皮膚炎や喘息などのアレルギー性疾患の原因となるダニの死骸、フンなどのアレルゲン畑となってしまうんです。
フケやアカはダニの大好物!
それらを取り除かなければダニはどんどん繁殖し、布団の中で増殖を続けていきます。
少し気持ちの悪い話になりましたが、羽毛布団のカバーだけをキレイに洗っているからと、羽毛布団自体を洗わないと大変なことになります。
寒い時期に愛用した羽毛布団。
気温が上がってきて収納をする前にクリーニングに出しておきたいところなんですが、クリーニング店にお願いすると、価格が税込で9,680円も掛かるんです。
そしてこれは一枚の値段です。
家族分の羽毛布団のクリーニング代を考えると、やはり毎シーズンのクリーニングは躊躇してしまいますよね。
そしてクリーニングに出してからの期間も早くて2、3日かかるようです。
大きな羽毛布団をクリーニング店に持って行ったり、持って帰ったりを考えると、女性一人では不安な重労働ですよね。
やはりこれらを踏まえて考えたら、自宅で洗濯できるのが一番ありがたいですよね。
羽毛布団を自宅の洗濯機で洗う際の注意点
羽毛布団を家庭の洗濯機で洗濯可能と先述したのですが、家庭の洗濯機で洗う際に気になるのが、「もし失敗したら」ということになると思います。
もともと価格の高い羽毛布団なので、失敗して使えなくなってしまっては本末転倒なのです。
素人がなにも知識のないまま洗濯機に羽毛布団を放り込んで洗ってしまうと、それはもいちろん「失敗」してしまいます。
ここでいう「失敗」とは以下のような事が挙げられます。
①羽毛布団がぺちゃんこになってしまった
乾燥の時に布団の中に空気を送らないことが原因で、羽毛布団のボリュームが無くなりぺたんこになってしまいます。
もっともよくある失敗で、ぺちゃんこになりボリュームがなくなってしまうことがあります。
ぺちゃんこになってしまうのは、乾燥の際に羽毛布団の中に空気を送れていないことが原因です。
再度乾かすことである程度のボリュームまで戻るものの、羽毛の羽枝が折れてしまうと本来の膨らみまでに戻すことができなくなってしまうので注意してください。
ふっくら仕上げるにはおしゃれ着用の中性洗剤を使い、乾燥の時に何度か布団に空気を入れて羽が膨らむようにすることが大切です。
②中の羽毛が偏ってしまった
無理やり洗濯機に羽毛布団を押し込んで洗うと偏りの原因になります。
偏ってしまった羽毛を元の均一な状態に戻すことは困難です。
偏りを防ぐためには、羽毛布団が入るくらいの大きめの洗濯ネットに折りたたんでから洗濯を行うことです。
また、洗濯後は干す前に中の羽毛を手でほぐすことも大事です。
洗濯直後は羽毛同士がくっついてボール状に固まっており、ほぐさずに干してしまうとそのまま固まってしまいほぐすことが困難になります。
③洗濯前より臭いがひどくなった
もともと羽毛には独特な臭いがありますが、自宅で洗濯したことで臭いがひどくなった場合、乾燥がきちんとできていない証拠です。
羽毛は湿気や水分を含むと獣臭が強くなります。
ポイントはしっかり脱水をすることと、干した後そのままにするのではなく定期的に布団の中に空気を送ることです。
しっかりと乾かすためには、天気が良い日に最低でも5時間以上干すことをおすすめします。
④羽毛が出てくるようになった
多くの羽毛布団は、羽が外に飛び出さないように「ダウンループ加工」がされています。
しかし、自宅の洗濯機で羽毛布団を洗うことで側生地が摩擦で傷み、小さな穴や傷がついてしまうと中から羽毛が出てくるようになるのです。
無理やり洗濯機に入れて洗った、浴槽で強く押し洗いをした、乾燥時間が長いなど、羽毛布団に強い力がかかることで羽が出やすくなります。
羽毛布団を自宅で洗うときは、大きなネットに入れて「大物コース」や「布団コース」で洗うようにしましょう。
それでは以上の失敗例のような事が起こらないようにするための、羽毛布団を洗濯機で洗う際の注意点をいくつかみていきたいと思います。
羽毛布団の「洗濯表示」をチェック
洗濯表示によっては家庭でのお洗濯もできるんです!
羽毛布団やダウンジャケットなど羽毛を使った寝具や衣類は、家では洗えないと思っている方が多いかもしれません。
ですが、洗濯表示を見てみると家で洗えるものも多くあります。
はじめに確認すべきは、羽毛布団についている「洗濯表示」。
家庭で洗うことができる製品かどうかをチェックします。
洗濯表示は2016年12月1日に改定されました。
購入年によって、表示が変わってきます。
洗濯表示に「洗濯おけ」や「手洗い」の記号がついている場合は、家庭で洗えます。
旧絵表示に「洗濯機」マークや「手洗い」マークがついている場合は、家庭で洗えますよ。
洗濯表示や旧絵表示に「洗濯おけに×」がついている場合は、残念ながら家庭では洗えません。
この場合はクリーニング店や寝具店などのプロフェッショナルにお任せしましょう。
また、羽毛布団のカバーについているタグや、「洗濯表示」の裏面にも洗濯について注意書きが載っていることがあります。
こちらも忘れずチェックしてみてくださいね。
洗濯機の取り扱い説明書もチェック
次に、お使いの洗濯機の取り扱い説明書の「毛布コース」や「大物洗いコース」のページを見て羽毛布団が洗える洗濯機か確認しましょう。
洗濯機の容量
自宅の洗濯機で羽毛布団を洗う場合、最も大切なのが洗濯機の容量です。
洗濯機に布団が入らないことには始まりません。
洗濯機の最大容量の6〜7割くらいまでが、洗える限界値です。
以下を参考にしてください。
【羽毛布団のサイズ:洗濯機の容量】
- シングル・・・5kg~
- セミダブル・・・7kg~
- ダブル・・・10kg~
こちらをだいたいの目安にしてみて下さい。
あとは実際に羽毛布団を洗濯機の中に入れてみて、上や横に少し余裕が出るようなら問題なく洗えます。
洗剤は必ず中性を使う
洗剤は必ずしもおしゃれ着用でないとダメということはありませんが、必ず中性洗剤を使うようにしてください。
羽毛に使われている羽根はタンパク質でできています。
アルカリ系の洗剤はこのタンパク質を溶かしてしまう可能性があるうえ、羽毛にある必要な油分も落としてしまいます。
羽毛独特のふんわり感を損なってしまうので、絶対にアルカリ性は使わないようにしましょう。
同じ理由でアルカリ性が強い酸素系漂白剤(オキシクリーンなど)も使えません。
羽毛のニオイが気になる時には
消臭効果のある中性洗剤を使用すると、洗いあがりの羽毛の独特のニオイが弱まります。
洗濯ネットを必ず使う
羽毛布団が洗える場合には、洗濯時のかたよりや布傷みを防ぐために、「お洗濯キャップ」または「洗濯ネット」を必要とする場合が多いので前もって準備しましょう。
洗濯ネットは、脱水時にかたよりが発生しにくい巾着型ネットがおすすめです。
万が一洗っている間に布団の生地が破れ、中の羽毛が飛び出してしまうと大惨事です。
羽毛布団は小さく畳んで洗濯ネットに入れて洗いましょう。
羽毛が飛び出すのを防止するために、洗濯ネットはできるだけネットの目が細かいものを選んでくださいね。
柔軟剤の使用はNG
意外かもしれませんが、羽毛布団を洗濯機で洗う時には柔軟剤は使いません。
その理由は羽毛布団に使われている水鳥の羽根は水に強いですが、油には弱いからです。
羽毛には本来油分が備わっていて、羽毛が持つ油分による撥水効果で独特のふんわり感がうまれます。
柔軟剤は繊維に油膜を張ることで、滑りをよくしてふんわり仕上げるのですが、羽毛布団の洗濯では柔軟剤を使うことで羽毛が本来持っている油分ごとコーティングしてしまいます。
そのため柔軟剤は、羽毛の持つ自然な撥水力を低下させ、軽くふんわりした独特の質感を損なわせることになってしまうのです。
いい香りを付けたいという方は布団ではなくシーツに柔軟剤を使いましょう。
羽毛布団を自宅の洗濯機で洗う際のの失敗しないポイント
失敗せず、羽毛布団ならではのふわふわ感をキープするための洗濯方法を紹介します。
羽毛布団は家庭で洗濯できる!
羽毛布団に使われている羽毛は水鳥の羽根。
そのため実は水に強い素材なのです。
ただし羽毛はデリケートな素材のため、ふんわり仕上げようと思ったら洗濯にコツが必要です。
そのコツが失敗しないためのポイントとなるので、洗う前にキッチリと確認してくださいね。
失敗しないポイント!前処理をしましょう
羽毛布団についたホコリなどの汚れを取り除く
まずは羽毛布団を物干し竿やベランダの手すりにかけて、布団たたきで軽くたたき、ホコリなどの汚れを落としておきます。
ここでの注意点は強く叩かないことです。
羽毛布団は繊細なものなので、できれば布団叩きも使わない方が良いですよ。
優しく手で払うようにするのがベストです。
目立つ汚れがある場合は予洗いをすると効果的
特に目立つ汚れがある時には、洗濯機に入れる前に予洗いをしておきましょう。
使用する洗剤は、洗濯時の色あせや型くずれを防止する効果のあるおしゃれ着用洗剤(アクロン)がおすすめです。
やわらかいスポンジに「おしゃれ着用洗剤」を薄めた洗剤液を含ませて、首周りなど汗や皮脂汚れが目立つ部分になじませます。
生地を傷めてしまうので、スポンジのかたい面でこすらないように注意しましょう。
いよいよ洗濯機で丸洗いします。
ここまで準備できたら、羽毛布団を洗濯機で洗ってみましょう!
- 汚れている部分が外側になるようにジグザグに縦に3つに折り畳んだら、端からロール状に丸めます。
- 洗濯機の取り扱い説明書にしたがい、お洗濯キャップをつける、または、洗濯ネットに入れて羽毛布団を洗濯槽にセットします。
- 「毛布コース」や「大物洗いコース」を選び、スタートボタンを押します。
洗濯機の表示に従って、おしゃれ着用洗剤を洗剤投入口にセットし、フタを閉めます。
☆ここがポイント☆
水に浮きやすく浸らないことがあるので、水が溜まったら洗濯機を一時停止し、両手で5~6回程度しっかり押し沈めてから洗濯を開始します。
ドラム式の場合は布団の重さで、脱水が途中で止まりエラーになってしまう場合があります。
その場合は少し面倒ではありますが、いったん洗濯機を止めて布団を洗濯ネットから取り出し、洗濯槽全体に広げてから再び脱水してください。
エラーが起きるのは重みが一方向に偏るのが原因です。
洗濯ネットから布団を出すと羽毛が飛び出す危険があるので、あくまでエラーが起きたときの対応方法として覚えておいてください。
<手洗いする場合>
水を吸った布団は本当に重いので、手洗いするとなるとシングルサイズでもかなりの体力と気力が必要です。
基本的には洗濯機かプロにお任せすることをおすすめします。
体力に自信がある方は試してみてください。
- 浴槽など、布団が入る大きさの容器に布団が浸かるくらいの水をはり、中性洗剤を溶かします。
- 手洗いの場合は洗濯ネットは使わずに浴槽全体に布団を広げます。
- 布団を手か足で優しく押し洗いします。
- 洗い終わったら水を抜き、水を入れ替えてすすぎます。
3〜5回ほど、泡が出なくなるまですすぎを繰り返します。 - 浴槽から水を抜き、布団を丸めるようにして脱水します。
- 畳んだ布団をバスタブにかけて1時間くらい放置します。
- ある程度水が切れたら洗濯機で3分ほど脱水します。
上手に洗濯機で洗えたら、次は羽毛布団を干す工程が必要になります。
干すときにもポイントがあるので、参考にしながら試してみてください。
羽毛布団のサイズにもよりますが、完全に乾かすには夏場で1日半〜2日、春だとよく晴れた日でも丸2日はかかります。
干している間に雨が降ってしまっては台無しになるので、天気予報で最低でも2日以上晴れが続く日を選んでください。
少なくとも梅雨の湿気の多い時期だけは避けてください。
干す際の乾燥が足りないと、中の羽毛を傷めたりカビの原因になったりします。
しっかり乾燥させましょう。
早く乾かしたい場合は、ある程度乾いてからコインランドリーの乾燥機を使うのも手です。
ただ、コインランドリーの乾燥機はかなりの高温になるので、長い時間の使用は羽毛にダメージを与えます。
設定可能な最短の時間にしておきましょう。
また自宅に乾燥機があれば、天日干しのあとで30分ほど乾燥機にかけるものふんわり仕上がっておすすめです。
ダニ対策は乾燥機にかけるのがおすすめ
羽毛の傷みを軽減するためにも基本は天日干しで乾かしたいところですが、アレルギーなどのダニ対策には高温の乾燥機でしっかり乾かすのがおすすめ。
その場合はコインランドリーの乾燥機を利用しましょう。
あまり長時間かけすぎると羽毛が傷んでしまうので、布団の質感か、ダニ対策かによって乾燥の具合を調整してください。
また布団乾燥機をお持ちの方はそちらを利用するのもいいですね。
ふんわり仕上がるお洗濯後の干し方
お洗濯が終わったら、ふんわり仕上げるための干し方にもポイントがあります。
干し方ひとつで失敗する可能性もあるので、必ず干し方にも注意して行いましょう。
きちんと干せれば、羽毛のかたよりやぺしゃんこになるのを防いで、買ったばかりのようなふわふわの羽毛布団に仕上がりますよ。
①物干し竿2本をまたぐように干す
脱水後はできるだけ速やかにベランダへ。
物干し竿2本をまたぐように干すと早く乾かすことができます。
《ポイント》
日光に直接当てると生地が日焼けしたり、羽毛が傷んでしまう恐れがあるので、風通しのいい場所で陰干しします。
②乾燥するまで羽毛を数回軽くほぐす
物干し竿にかけたら、全体の形を整えましょう。
かたよった羽毛を両手でほぐしたり、布団の端を持ち振ります。
乾燥するまでに数回羽毛をほぐしてあげるとよりふっくら仕上がりますよ!
③羽毛布団を取り込む
取り込む際、完全に乾いていなかったら、室内の椅子に羽毛布団をかけたり、布団乾燥機を使って乾かすようにしましょう。
完全に乾いてから、空気を含ませるように前後左右に振りさばくと、ペタンとしていた羽毛が空気をふくんでふんわり感が蘇ります。
まとめ
羽毛布団が洗濯機で洗えるとは目からうろこでした。
洗濯表示に従い正しく洗濯すれば、クリーニング代もかなり節約になりますよね。
洗濯機で洗う際には注意点やポイントも多数あるので、どうしても面倒な方は、お金で解決するという方法もありますが(笑)
たとえば、もう何十年も使って古くなっている羽毛布団は、洗ってもふんわり感が戻らないこともあります。
そういったものに関しては、洗濯機で洗ったからの失敗ではなく経年劣化と考えられます。
それはクリーニング店で行ってもさほど変わりはないと思います。
そのようなときは、羽毛布団のリフォームも検討してみてください。
まだ新しい羽毛布団なら、是非洗濯機で洗う際の参考にしてください。
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